『山の独奏曲』~串田孫一の哲学エッセイ

哲学者、詩人、エッセイスト・・・山の芸術誌「アルプ」創刊者・・・串田孫一さんの短編集、「山のパンセ」に続いての二冊目。
楽しいか楽しくないかといえば、楽しくない。
面白いか面白くないかといえば、面白くない。
興味深いか深くないかといえば、興味深い、そう「深い」。

「滝」 登山道をはずれ遊び心で行動して出会った滝の前
”こうゆう場所に偶然到着した時の嗜みだと、一人で考え、思い浮かぶことを全部やってもよいとさえ思う。xxxなぜこんな素晴らしい音を立てることがあるのか、それがただ、水の戯れとして聞いてしまうのにはあまりに複雑な意味を含んでいる”
確かにね、水の音は癒しの音、独特の深みのある音。そこに「複雑な意味」を含んでいるとは、どういうことだろう?
その時のその人自身の心象風景が聞く音なのだろうが、なにを語りたいのかは不明、それを考えて見れば!?という投げかけかもしれない。

「幻想」 強く秋風を求めて山へ登ってきた作者
”この地上に生命を抱いて存在するすべてのものは、もちろん人間をも含めて、善意や悪意のあるなしとは無関係に、天井からの荒々し仕打ちをうけなければなならい xxx こいう苦悶の中に自ら巻き込まれようとするのは人間の愚かといえば愚かな好みである”
作者はこの後、”骨だけに”なって、最後に”僅かばかりの神経をつまみ捨てた”のだが、あまりに哲学すぎて、わかるようなわからないような。
わかるようなと言ったのは、そんな山歩きをしたことがあるからだ。あまり深くは考えて歩いては居なかったが、家に戻って暖かい部屋で山行を思い出すと、そんな気もしてくる。(笑)

まさに、哲学ということばがぴったり当てはまるような、そんな短編集七十二編。
言葉は平易だが語る言葉は深い。山を歩くのが好きで、じっくり時間がある時に、山を眺めながら読むにはぴったりの本かと思う。
ヤマケイ文庫 画文集 山の独奏曲 - 串田 孫一
ヤマケイ文庫 画文集 山の独奏曲 - 串田 孫一

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この記事へのコメント

  • カスミッシモ

    山の朝霧 里の湯煙 は短編を少しづつ読みました。時間の合間には程よい感じでした。ありがとうございました。
    2021年02月02日 16:44
  • 本読みと山歩き2

    カスミッシモさんへ
    いつもコメントありがとうございます。
    この本も面白いですが、私にはやや哲学的で脳が懲ります。
    ご興味があれば、手にとって見てください。
    2021年02月03日 11:56