『山の朝霧 里の湯煙』~池内紀さんの表現力

池内紀(おさむ)さん、ドイツ文学者、エッセイスト。
大好きでした、この人の文章使い・・・ものを見る感性とその表現がス~っと体に入ってくる。
最初に出会ったのが「ひとつとなりの山」題名も良いが、その文章に惚れた。それ以来数冊を読んだ。
が、2019年8月30日に亡くなられててしまった。
この本は、
2020年6月にヤマケイ文庫が1998年の同名本を文庫版に改めて発行したもの。27の短編。

山を歩いた記録と麓の温泉・・・が題材。
やはり、表現が秀逸!!

・「吹き上げてる川風がここちよい。xxx平地は人間を平均化する。おりおり凸凹のあつところに身をおくのはいいことだろう。五感がやにわにいきききと活動をはじめる」
・「全身に心いい疲労があった。xxxこんな時である、自分が何億本とあるそうもくのひとつであるようなきがするのは。とするともの前の風景は、まさしく私の心である」
・「アカエゾマツが行列をつくったようにそびえていて、荘厳な部内の中に入っていくようで晴れがましい」

文章は難しくない、平易な言葉で、その風景や心のありようを表現できる。カフカから辻まことまで引用も幅広い。
とにかく、体に染み入って、心に残る。エッセイはこうでなくては。と思う。

この文庫のあとがきに、心得を (私の為に)残してくれた。
「大きな山のその大きさと、誰にたのまれたわけではないのに、大汗かいてよじ登ることのたのしさとおかしさがつたわればよい。また、下りてくると気のせいか、ほんの少し知恵深くなっていることも。にわか賢者をさとの湯煙がつつんでくれる。」

あぁ、
私も “にわか賢者” を目指して、池内さんの様な文章をかけるように、この本にたくさんのマーカーを引いた (笑)
ヤマケイ文庫 山の朝霧 里の湯煙 - 池内 紀
ヤマケイ文庫 山の朝霧 里の湯煙 - 池内 紀

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この記事へのコメント

  • カスミッシモ

    コロナ自粛生活の隙間を埋めてくれるような、心温まる本です。
    短編だと読みやすそうです。
    2020年08月25日 20:50
  • 本読みと山歩き2

    カスミッシモさんへ
    コロナ禍で、結構本を読みました。
    行きたくなる温泉とお山がたくさん。
    山形の大平温泉などぜひ行ってみたいと思いました。
    こんな文章をはやく書けるようになりたいものです・・・
    2020年08月27日 20:30
  • KURI

    また良い本を紹介していただきました。探してみます。
    自然と同化していく様を文章で表現するのって難しいですよね。平易な言葉でそれが出来たらといつも思います。
    私は本読みさんの文章、いつもいいなぁって思って読んでいます。(^_^)
    2020年09月09日 15:27
  • 本読みと山歩き2

    KURIさんへ
    ありがとうございます。
    ぜひ、一度 読んでみてください。
    KURIさんのエッセイ風の文脈や表現の上手さにも憧れてます。
    いつも覗いてます、
    読み逃げが多くて、コメントする記事はタマですが・・・
    2020年09月12日 13:56